Q. 展覧会やギャラリーなどで「版元」という言葉をよく耳にしますが、何のことですか?

A. 制作された版画の「出版元(メーカー)」のことです。

本や雑誌にはその制作を司る出版社がありますが、版画の場合の出版社がこの「版元」にあたります。

画家の描く絵(原画)は1枚しかありません。
しかし、多くの方に絵を楽しんでいただく為に、作家の理解の下、限定枚数の版画が制作され、画廊や百貨店を通して販売されます。

この過程の中で、
①画家から版画制作の許可を得る
②限定枚数の版画を工房や画家の協力を得て制作する
③画廊や百貨店に作品を卸す(お客様に直接販売させていただくこともあります)
の部分を版元が担っています。
つまり「版元」とは、「版画制作元」の略で、その画家専属の「版画メーカー」と言うことになります。

また、本や雑誌の制作と版画の制作で異なることの一つに「出版数」があります。

これは版画の世界では「エディション数」と呼ばれるもので、本や雑誌の場合は販売数が上がると、増刷を繰り返し数を増やし、書店を通して販売されますが、版画の多くは初版の段階で刷る枚数を限定して出版され、更に、それ以上の増刷ができないよう、制作に使用された版を全て処分しています。

絵の著作権は画家に、版画の版権は版元にありますが、多くの「版元」はその管理運営を任されているようです。

ちなみに「笹倉鉄平」の版元は1991~1999年の間「株式会社プロバ」様が、そして、2000年1月1日より(版画作品に関しては「森のむこう」以降の作品)「株式会社アートテラス(弊社の旧名称)」が、2022年以降は「株式会社 笹倉鉄平オフィス」が務めています。

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