とにかく、優しい静物画を描いてみたかった――。
“招き猫”発祥地の一つと云われる、隅田河畔の町、今戸。
とある日、今戸焼や今戸神社のことを知り、実際に足を運んでみた。
沢山の招き猫が置かれた今戸神社・拝殿は、なかなかに印象深く、
幸運を呼ぶという今戸焼の”招き猫”を、帰路に一匹連れて帰った。
何ともほのぼのとしたその猫を眺めるうち、是非とも描きたくなった。
色合いの紅白が、お目出度い感じで好ましかったので、
響き合う色の花を選んで花瓶に生け、
同じく江戸の工芸品である、切子硝子のグラスを並べてみる。
そして、日本のおもてなしの精神もそこに在って欲しいと・・・
和敬清寂の心を、茶碗と茶筅、茶杓に託して置いた。
陽射しも優しいある日、実際に窓辺で並べてみると、
何ともやわらかな空気を生み出してくれて、嬉しくなってしまった。
これまで油彩で静物を描くことが多かったが、
この穏やかで軽やかな温もりを表現する為に、
迷わず色鉛筆を選んでいた。
笹倉 鉄平
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