カンボジアの学校、その後のその後
先日、大阪・梅田大丸で開催して頂きました、新しい版画集出版記念展へは、多くの方々にいらして頂き、本当にありがとうございました。また、サイン会時には、重たい画集を抱えながら行列に長時間お並び頂き、恐縮でした。
版画集の出版記念ということで”全版画”を展示しておりましたが、自分でもその数の多さに今更ながら驚いてしまった次第です…。
さて、前回までは英国~アイルランドへの旅路を何回かUPしてまいりましたが…
今回は、なぜかその続きではなく…唐突ですが、カンボジアへ行ってきたお話をさせて頂きたく思います。
今年の2月、いつものメンバーや新たに参加された方々ともご一緒して、またカンボジアへ行って参りました。(前回&前々回の訪問の模様やあらましは[アトリエから]の、08年1月24日付と10年4月5日付の回をご参照頂けましたら幸いです)
今回は、学校の子供たちへ水彩絵の具と筆をお土産に持って行きました。
子供たちはその画材を使って早速に絵を描いて、私の所へ持ってきてくれました。その心遣いがとても嬉しくて、その絵をお借りして日本へ持ち帰って参りました。
と、申しますのも…
毎秋、版画ミュージアム(神奈川県・大和市)にて開催されます『やまと子ども絵画大賞』展(←私は審査員として参加)で、これらの絵を展示して頂き、同じ年代の大和市の子ども達に見てもらうことで、カンボジアの子ども達が厳しい環境下でも明るく前向きな姿勢で勉強に励む様子を、少しでも知ってもらうきっかけになれば…と思い立ったからです。
限られた短い時間で描かれた小さな絵で、数も少なくたった十数点しか展示出来ませんが、その視線や感性が日本の子ども達と全く違うことも解ります。
この学校で出会う彼らの笑顔と澄んだ眼差しには、毎回々々深く心を動かされます。そんな中で不思議と、どこか懐かしい感覚も心をよぎるのです。
生きることに一生懸命で、「学べる喜び」に日々感謝と幸福感を感じている彼ら――そのひたむきな純粋さ。日本人が時代のどこかで置き忘れてきてしまった部分を、彼らの瞳の中に見ているからなのかもしれません。
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初めてカンボジアのこちらの学校を訪ねてから早くも5年以上が経ち、ご一緒させて頂いている皆さまのご努力で、学校の環境整備もゆっくり着実に良くなってきました。
特に、前回3年前に訪ねた時に初めて行われた健康相談&診療では、衛生・医療環境の劣悪さから、かなり大人数の子ども達が列を成して診療を受けていたのですが…
なんと、今回は列が全く出来ず、ご同行された小児科の先生も驚いておられました。
学校の敷地内にトイレが完成し、飲料水も衛生的な状態で飲めるようになったことが、とても大きく貢献しているのだそうです。
受け入れ側(カンボジア)の体制がまだかなり不安定な為、支援を進めるには困難も多いのですが、ご一緒している仲間の皆さまの並々ならぬご努力が実を結んでいるのを目の前にすることが出来、今回もとても嬉しい経験を致しました。
その様子を、以下の画像にて少しですが、お伝えしたく思います。
笹倉鉄平