令和の初描き
5月にスタートした「令和」も8カ月が過ぎ・・・その元年が終われば、もう新年!! 早いものですね。
思い返せば、5月1日、令和最初の日をどのように迎えようかと思いつつ・・・東京で元号に所縁のある場所をつらつら思い浮かべておりました。当然、皇居は相当多くの人出だろうと考え・・・美術館が立ち並ぶ上野公園内の東照宮へ足を向けてみることにしました。
上野の東照宮は、徳川家康・吉宗・慶喜を御祭神としてお祀りしている神社で、直接的に元号に関係しているわけではないですが、江戸で沢山の元号の変遷を過ごしてきた場として思い立ったのです。
修復されて間もない社殿は、黄金色に輝いていて素晴らしいのですが・・・何より心惹かれたのが、”上野の祖木”と言われている、樹齢600年以上と云われる大楠でした。
600年という長い月日の中で、災害や戦火を乗り越えながら、これまでいく度の改元を過ごし、歴史の変遷を見守ってきたのだろう・・・と思い致せば、とても感慨深いものがありました。
そして、そのたくましい生命力を肌で感じながら立派な姿を下から見上げれば、自然と時の流れに想いを馳せることとなり、心からの畏敬の念が湧いてくるものです。
勢い衰えず広がる枝ぶりを目の前に、色鉛筆でその力強さをたどりながら・・・2日間通ってスケッチしました。
令和の時代、どうか穏やかで平和な時間が流れていってほしいと、600歳のご神木に祈願しながら――
笹倉鉄平
(追記)令和の新年、その干支は十二支の頭の「子年」である2020年。何か自分も新しいことを始めようと思い・・・画家個人のインスタグラムをスタートしてみようかな、と思っております。