今“こんな時代”だからこそ・・・

展覧会等何かと慌ただしかった時期も過ぎ、制作に没頭できる毎日を過ごしております…ようやく、そんな代わり映えしない(笑)近況報告が出来る状態になりました。
ここのところ体調がとても良いせいか、絵のイメージも次々と浮かびますし、良い状態が長く続く様に自己管理してゆきたいと思っています。
まずは、少し前にNetのファンメール・コーナーに頂戴していたご質問にお答しておきましょう。
それは、デザイン画を描く際に困っているというご相談で、「どの様にすれば、頭の中に浮かんでいる通りのイメージを、上手く絵に描けますか?」といった内容でした。

よく分かります!!・・・とても難しいことですよね。
一般的な答えとしては、「絵として表現する力の基本となるデッサンをしっかり勉強しましょう」ということになるのでしょうが、それが簡単に出来れば苦労はないですし、ましてや、そのデッサン力だけで頭の中にある“こんな感じ”が上手に描けるかというと…う~~~ん、どうでしょう???
そこに近道があれば、お知らせしたいのはやまやまなのですが、「頭に在るこんなイメージ」を描くということに関しては、何しろ私自身も若い頃から今の今まで、実はずっーと苦労し続けているのです。

一つ言えるとすれば、「あ、この感じかも」という手応えを少しでも感じられるまで、繰り返し繰り返し描いてみるしか無いように思います。
例えるなら、スポーツにおいて技術が上達してゆく時の様に、体でコツを掴んでゆく感覚に似ているのかもしれません。
要は、数多く描きながら自分なりの表現方法を習得してゆくしかない様な気がしますので、頑張ってみて下さい。

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さて、話は変わりますが、スポーツといえば・・・最近はご時勢的なこともあり、企業によるスポーツ活動等へのスポンサーシップからの撤退が目立っている様です。
休部や廃部などの状況下に追われた選手や関係者たちの心中は思いあまるものがありますが、企業側としても会社自体の維持存続が無ければ今後の復活や再生も無いわけすから、苦渋の選択を迫られて辛い思いであることは間違いないでしょう。
また同様に、多種多様な文化的活動も減少したり、予算が縮小されてゆく現状は、残念ではありますが、経済的な面から考えれば自明の理なのでしょう。

歴史的にも「経済が衰退する時代や国では、同時に文化も衰退する」というのが通説のようですが、今が正にそんな時の様に思えてしまいます。
経済的な“余裕”が無くなるにしたがって、“心の余裕”の部分である文化を削らざるを得ない方向へ向かってしまうのは、何とも悲しい流れです。

そんな時代に、自分はアーティストとして何をすべきなんだろうと、何度となく繰り返し考えたのですが、勿論、経済状況に対して直接的に働きかける術は全くありません。
行きつくところはたったひとつ、暗くなりがちな人々の心に“明るさを取り戻してもらえるような絵”を描くことしかないと思うのです。
厳しい現実を“忘れる”というよりも、そこに立ち向かってゆく“心の余裕”や、立ち向かった後の疲れた心を休ませる“やすらぎ”を感じて頂けるような作品を創り出して、観て頂くことをめざして・・・。

そして、そういった思いを抱く方々が、文化、芸能、スポーツ等多くの分野や、メディア、出版、そして勿論、この美術の業界にも、いらっしゃるに違いありませんので、私も前向きな気持ちを忘れずに頑張ってゆけると思います。

…なんだか偉そうなコトを大上段から話してしまった様で、お恥ずかしいのですが…今の正直な心境です。
こんなご時世なだけに、ちょっとネガティブな面の話になってしまいましたが、今回これ一度だけにとどめます。
このHPでは、明るい話題を中心にしてゆきたいですから・・・。

笹倉鉄平

2009年02月23日