ちょっと苦手なこと

早いもので、今年も既に12月。つい最近まで"暑い暑い"と口にしていた様な気がするのですが・・・(苦笑)。

例年、秋から冬へと向かう今時分は、季節柄か展覧会が多く、サイン会などで人に会う機会が普段よりも増え、更には人前で絵について話をすることもたまにあります。

そんな中で、ふと思うのは・・・相変わらず多くの人の前で話をするのが苦手だなぁ、という事。
それでも、昔と比べれば少しづつ慣れてきたこともあってか、緊張したりアガったりすることはそれほどでもなくなりましたが、苦手なことには違いなく、聞いて下さった方々に上手く伝えられなかったのではないか?と終えた後、少し申し訳ない気がしてしまいます。

そこで、"なぜ苦手なんだろう?"と、自己分析をしてみました。
一つの要因は、自分の中で勝手に"常識"となってしまっている事柄に関して、ついつい説明不足だったことに後から気付くから。二つ目は・・・どうやら、その時に話したい内容が、頭の中にあまりにも一斉にバァっと沢山浮かんできてしまい、どう進めれば上手く伝えることが出来るか、自らも戸惑いながら話をスタートさせてしまうから、ではないかと思われます。

事前に原稿を用意する時間の余裕も取れない為、話をしている真っ最中に"あれあれ?この流れで伝えるよりも、先にあの話をした方が分かりやすかったかな?"とか"あ、関係ない方向に話が・・・"とか、ひどい時には"結局一番伝えたかったこと言ったかな?"等々、ずっと頭の中でアタフタオタオタしているのです。こんな状態では、聞き手としては分かりずらい事この上無しですよね(笑)。

この"一斉にバァッと"頭に浮かぶ感じ、どこか馴染みがあるなぁと、考えてみれば・・・絵を描く時にヴィジュアルとしてアイデアが浮かぶ時の感覚に、とてもよく似ていることに気付きました。
頭の中での発想や記憶の形が、全て"絵的"になってしまっているのだ・・・と、我ながら妙に納得してしまいました。

大体"人前に出るのが苦手"というのは、「人の前に出る時はキチンとしないと」とか「少しでも良く思われたい」等の人間の大いなる煩悩に端を発していると思いますし、自ら凝り固めてしまった理想の姿と現実とのギャップに、落ち込んだりする事から出てくる意識だと思います。

ところが、相手は意外とその"理想の姿"ほどは求めていないのが普通です。
ですから、欲張りな自らの思い入れは捨て去って、話下手である自分を、可も不可もなく素直に認めてしまえば気持ちもぐっと楽になり、気負いも減り、むしろ上手くゆくのではないか・・・と。年令と共に、段々そんな風に思える様に移行してきているのかもしれません。
「そもそも画家の本分は、あくまでも"絵で表現する"ことだし」などと、自分に言い訳もしつつなのですが(笑)。

そうそう、対人ということに関して、苦手な事が実はもう一つあります。
それは、「相手の目を見て話すことが少々苦手」だということ。

よそ見しながら話をするのは、相対している方に対して失礼な上、嫌々話している如き誤解すら与えてしまうであろう・・・と、充分に理解して注意もしているのですが・・・
どうしても、"恥ずかしい様な照れくさい様な感じ"で居たたまれなくなり、ついつい相手の方から視線をそらしてしまうのです。

一番顕著なのは・・・飲食店や店舗などで注文や支払いをお願いする等の場面で、最初から最後まで一度も、店員さんの目はおろか顔すら見ていなかったことに、後で気付くことすらある有様です。
もしかしたら、前半に書いた話下手の部分も、この「目を見て話すのが苦手」ということも遠因になっているのかもしれませんね。

以上、改善したいと思っている自分の中での課題でした。
今までに私とどこかでお話をされて、上記の様な不審な様子(笑)に思い当たる方がいらっしゃったら、そこに悪気は無かったことだけはご理解お願い致します。

今回は、苦手な事についての打ち明け話(?)にお付き合いを頂き、恐れ入ります。
こうして、直したいという意志を宣言することで、克服の早道になる場合もあると聞きます。それに、同じ様なご苦労をされている方もきっといらっしゃることでしょう、何か小さなことでも参考やヒントになり得れば良いのですが・・・。

寒さも本番、何かと慌しい年末へ向けて、皆様お体ご自愛下さい。

笹倉鉄平

2009年12月09日