土地土地の良いところを・・・

ここの処、かなり寒い日が多くて、結構こたえますね・・・。
しかし「冬はもう春の始まり」とはよく言ったもので、ひと頃よりは日没の時刻もずい分遅くなり、確実に春が近づいているのを感じられるようにもなってきました。
冬は春を迎える為の準備期間とでも思って、あともう少しこの寒さを耐えて冬を乗り切りましょう。

前回の年賀状のまま暫く間が空いてしまい、失礼をしていましたが、ようやく更新できる気持の余裕が出てきました。
昨年からとりかかっていた作品は、全て年内に仕上げることが出来、新年から描き始めたものも大体のイメージを固めるところまで進みました。
また、その制作の合間を縫って行っていた仕事(これについては次回に書きます)も一段落し、自らの目標としていた予定を今のところどうにかクリアしており、嬉しく思っています。

一方オフィスの方では、新年早々から新作のリリース準備でおおわらわだったそうです・・・。
と言うのも、新作「シーズンズ」は4点の連作となった為、検品など諸々の作業も当然、通常の作品の4倍にもなってしまうわけです。
つい先日、サインを入れ終わり、ようやく全国のギャラリーへ向けてリリースの運びとなりましたので、もうすぐ皆さんに実物を見て頂けるのではないでしょうか。

今回、この「シーズンズ」に関しての感想やお問い合わせメールを、数多く、また幅広い年齢層の方々から頂戴して、とても興味深く読ませて頂きました。
本当にありがとうございました。

私にとって、日本の風景は"見慣れているせいで見えづらい"とでも言えばいいのでしょうか・・・意外と難しい題材なのです。
十年ほど前から取り組んできましたが、最近になってようやく、海外を見る目と同じ感覚で日本の風景も見られるようになりました。
結局、それは"国"というくくりではなく、"それぞれの場所に、それぞれ独自の良さが在る"ということなのだと今、思っています。

気候や風土から生まれたものや、民族や歴史によって育まれてきた独自の文化というものは、世界中のあらゆる場所に必然的に存在し、異なる良さを持っていると思うのです。
それらは、精神的な面も含めるとあまりにも幅が広く、分別してそれを示し、説明を加えることなど私には到底不可能です。
敢えてごくごく一例をあげるとすれば・・・もしも、ヨーロッパの家並みの違いを表す地図を作るならば、その境界線はいわゆる国境ではなく、むしろ山脈などの地形的な線に沿うものとなることでしょう。
勿論、はっきりとした線にはなり得ないでしょうし、海が最も大きな要因になるに違いないのですが・・・。

島国である日本は、その独自性の高い文化ゆえに大きな魅力を感じると、海外の知人達は言います。
しかし同時に、日本国内の都市部の景観が、どの地方へ行ってもほとんど変わらないのは不思議だ、とも聞きます。
私自身も、展覧会などであちらこちらへ行きますが、空港や駅を出て中心部にある会場へと向かう車窓からの景色は、それぞれの都市の記憶として残っていない位、皆同じ様に目に映ります。
利便性や採算性を優先すると、似た景観にならざるを得ないのかもしれません・・・。
しかし、どの地方にも必ず独自の文化はあるはずですし、その土地特有の"地方色"を誇りに出来るような街造りがされてゆけば、どんなに素敵だろうと思います。
そうなれば、わざわざでも見に行きたいという人は増えるでしょうし、海外のみならず国内でも、それぞれの地方同士の行来が盛んになり、経済効果にもつながることでしょう。
更に、そういった動きが進めば、新しい形の「地方の時代」がやって来るのかもしれません。
いえ、既に人々の心はそういった方向へと進み始めているような気もします。

解りづらい話になってしまいましたが、今回書いてみようと思ったのは、「海外でもそれぞれの地方に、それぞれの良さが在り、そして、日本にもそれぞれの地方に、それぞれの良さが在る」という、いたってシンプルかつ当たり前の事・・・。
そういった「良さ」を描いてゆければと思っています。

笹倉鉄平

2004年01月26日