質問にお答え致します Part.4

朝晩は、頬にあたる風にほんの少しだけ秋の気配を感じるようになってきました。
長い夏の間、制作以外にも大事な用事ごとが入るなどして、いつも以上に多忙に過ごしておりました。
(今は一段落し、気分も少しは落ち着いてきましたので、これを書いております)

そんな状況の中でも、皆さまから頂戴する様々なメールから元気をもらっておりました。
一つ一つ拝読させて頂きつつ、「うんうん」うなづいたり、「へぇーそうなんだ」と驚いたり、笑わせて頂いたり、絵の感想を伺ってやる気が湧いてきたり、勉強をさせて頂いたり・・・と、心の中ではそれぞれのメールへお返事を返させて頂いております。

主に移動中や用事の合間などに読ませて頂いており、なかなか直接各々にお返事をする余裕がなく申し訳ないと、いつも思っております。
せめて、頂戴している質問にはお答えしようと、こちらのページでお返事をさせて頂いております、今回はその四回目です。

(以下、Q.の部分はメールより質問部分のみを抜粋させて頂いております)

Q.「フェルメールはお好きですか?」

A.はい、若い頃から好きです。緻密な表現と描写、構図の妙技、そして何より優しい光の表現にとても惹かれていました。
フェルメールは、現存作品数が三十数点しか確認されていない、日本でも人気の高い、17世紀オランダの画家です。
(頂いたメールにもございましたが)現在その代表作ともいわれる作品が、はるばる来日中で大盛況のようです。

フェルメールといえば人物画で有名ですが、風景画も2点ほど在って好きでしたので、以前オランダ・デルフトの街を訪れた際には、『デルフトの眺望』という作品の現在の風景を求めて探し歩いた記憶があります。さすがに既に350年ほども昔の風景ですから、すっかり姿を変えた"眺望"でした。

まだチューブ入り絵具など存在せず、鉱物等をすり潰した粉を油で練って描いていたような時代に、あの丁寧な仕事ぶり…とにかく感服してしまいます。

Q.「ニア・ソーリー村にも描かれているように、夜の絵に三日月が多いように思いますが、何か想いやメッセージが込められているのでしょうか」

A.この質問に、逆にハタと考え込んでしまいました。確かに、これまで夜景の空に「月」は沢山描いてきました。
改めて振り返ってみましても…頭に自然と浮かんでくるままに描いていた、としか言いようがありません。

更によく考えてみますと、描いてきた月のほとんどが、三日月か満月のどちらかでした。
今思えば、それぞれの絵のテーマや全体の雰囲気に沿わせて描いていたり、夜空を明るい色彩にしても、月を描くことで夜であることを感じて頂けるということもあったでしょうか。

そんな「月」たちに、込めたい想いがあるとしたら・・・
天体としての「月」は、地球からは離れたところに存在しているという点で、孤高の存在であって、我々のちっぽけさにふと気づかせてくれるモノの象徴として、描いていたのかもしれません。

そして、涼やかな美しさと神秘性を宿したあの独特な三日月の形や、豊かな満月の円満な形が、ポカリと夜空に浮かんでいる様の不思議さに、幼い頃から魅かれ続けているからだとも思います。

Q.「クレパスを使って描かれた愛らしい猫の絵を「ちいさな絵画館」で観たのですが、この他にもクレパスの絵ってありますか?」


A.昨春に岩手県の盛岡に在る有名な一本桜"石割桜"を、クレパスで描いたのがきっかけとなり、画材としてのクレパスの面白さに気づき、つい先日も一枚クレパス作品を描き上げたばかりです。

油彩などに比べますと、思い立ったら特別準備など無くすぐに描き始められ、どんどん塗り重ねて進めることが出来ますし、持ち運びなども楽で便利です。
つまり、感じたことを素早く紙上に展開できるという良さや、独自の質感や雰囲気とあいまって、今ちょっとお気に入りの画材となっております。

子供の頃、呼称として「クレパス」とか「クレヨン」と曖昧に呼んで使っていましたが、それぞれメーカー固有の商品名であり、総称としては「オイルパステル」というのが正式だと思います。
それでも、技法としてあえて「クレパス」という表記にしておりますのは、観る皆さんが分かりやすくピンときやすいよう、馴染みのある言葉を使いたかったからです。

蛇足ですが、今まで時折使用してきたパステルとの差は?と申しますと…
パステルはサラサラとした粉を固めたものですので、指などでこすってグラデーション効果を出しやすく、全体にふんわりとした柔らかな雰囲気になります。
こちらもとても気に入っており、そんな特徴を活かせる題材に出会った時に使っています。

対してクレパスの方は、筆致を活かせるという特性もあり、力強い表現や均等でないボケ足が欲しい時に使用しております。

今後も展覧会などで展示されるかと思いますので、上記のようなことも観て頂けますと嬉しいです。

今回は、取りあえず以上となりますが・・・

皆さん、絵の感想はもちろんのこと、Teppei.Netや展覧会で、感じたこと、疑問など、小さなこと一つだけでも構いません、ご遠慮なくお寄せ下さい。

笹倉鉄平

2012年09月07日