私の記念すべきDVD

「DVDビデオ笹倉鉄平の絵画世界」をご覧頂いた方、いかがでしたでしょうか?
実は私自身、ずっと完成を楽しみに待っていたのです。

制作企画の話自体は今年の春頃に頂戴しました。
ちょうど同時期で制作が進んでいた「全版画集」には出版時までの全ての"版画"作品が掲載されることになっていた為、DVDの方には"原画"を出来るだけ多く入れて、家庭のテレビでも気軽に楽しめる美術館のような切り口で制作してみよう、というコンセプトでスタートしました。

私も前からDVDで映画などを観始め、その映像や音の良さに感心していましたので、その良さを活かせる内容にしたいなぁ・・・と思っていました。
すると、制作会社である㈱シンフォレストのプロデューサー工藤さんや、ディレクターの沼田さんからも色々なアイデアが出て、話が盛り上がってゆき、当初1枚ものとして考えていたものが、2枚分の内容にまで膨らんでいったのでした。

しかし、"言うは易く・・・"といいますが、実際の制作現場は間違いなく大変な作業をこなして下さったのだろうと、仕上がったDVDから観て取れました。

映像・画質・音楽・音源・・・などなど多岐に渡る分野のプロの方々のお陰で、厳しいスケジュールの中、素晴らしい形でようやく現実のものとなりました。
この場を借りて、感謝と御礼を伝えさせて頂きます。

さて、内容について少々触れさせて頂きますと・・・

まず「ミュージアム・ディスク」では、展覧会や美術館での人の視点というものに注目しました。
それぞれ絵によって視点も異なってきますので、前述の沼田さんによって書き込まれた、一枚の絵毎の視点の動きの膨大な資料を基にして、動くスピードを調整しながら動画化されてゆきました。
そして、DVDの持ち味である音質の良さも味わって頂けるように、心地よい音楽もたくさん入れて下さってますので、よりリラックスした気分で絵を楽しんで頂けることと思っています。

一方、「アミューズメント・ディスク」の方では、様々な試みをすることとなりました。
イラストレーター時代に仕事の合間をぬって、自分で絵の勉強を続けていた頃の作品も一部公開しました。
5.1チャンネルのサラウンド音響を付けたコーナーでは、立体的な音場を作って絵の世界の中に観ている人が入り込んで行けるかの様な効果も生んでいます。

(※ちなみに、5.1chというのは簡単に言いますと、前面の左右・中央のスピーカーと背面の左右、合わせて5つの音源と、音の方向性を持たない重低音音源のことを表しています。)

また、「インタビュー」も是非とのご要望を頂き、ご存知の通り、そういったものが苦手な私は「それは止めましょう」と逃げ腰でした。
しかし、皆さんから「実際の制作風景を見たい」といったリクエストも日頃から多い様でしたので、少しでもその雰囲気が伝われば・・・となんとかやってみることにしました。
質問内容は、ここのHPの管理人に、これまでに目立って多かった質問をまとめてもらい、スタジオで実際に質問してもらいました。

それらのコンテンツの中でも、私が一番乗り気だったのは、「音楽とのコラボレーション」のコーナーでした。
いわゆる絵のBGMではなくて、逆に音楽を聞いて私自身が頭に浮かんでくる絵を見せてゆく、という試みです。
制作中によく聞いている音楽が一番よいと思い、大好きなギター・デュオ「ゴンチチ」さんの曲でと、お願いしたのです。

ゴンチチさん達の音楽を初めて知ったのは、10年程前、テレビのCMから流れていた曲がとても気に入って、即探してCDを買いました。
その曲は、フランスの女性歌手クレモンティーヌに提供された「レ・テ(仏語で"夏")」というもので、作曲とギター演奏がゴンチチさんだったのです。
それ以来、他のアルバムも聞いて、その穏やかで楽しい音楽はお気に入りとなりました。

今回、この旨を事務所である㈱ヒップランドミュージックコーポレーションさんを通してお願いした所、快くご了解頂きました。
こちらで使用したい曲の候補を出して、"絵にあう曲を選んで下さい"とお願いすると、"どれもよくあっていますので、正直迷っています"とのお返事でしたので、私自身も迷った挙句、最終的にタイトルがとても気に入っていた「休暇届」という曲に決めました。
そして、私の初めての映像作品がここに完成致しました(大袈裟?)。

こうして実に多くの方々にご尽力頂いて、私の記念すべきDVDが完成しました。
今、我ながらとても喜んでいます。
ご覧頂いた感想など、今後の参考の為にも是非お寄せ下さい。
(既に頂戴している方、どうもありがとうございます。)

次回は、現在取り組んでおります、年越しの美術館個展について書くことにしましょう。

笹倉鉄平

2002年12月03日