アトリエや旅先から届いた、笹倉鉄平のメッセージを掲載しています。

アトリエから

2016年12月8日/質問にお答えします Part.9

今年も、気づけば早12月。何かと気忙しい時節となりました。
皆さまからお寄せ頂く質問がたまって参りましたので、お答えしようと思いますが・・・その前に、いつも書き忘れてしまう件を一つ。

音楽好きを標榜していることもあってか、時々音楽のCDを頂戴致します。お薦めの音楽から"自作の"ものまで。
私の絵を楽しんで下さる皆さまとは、やはり音楽の感性も合うのでしょう・・・頂戴したCDは、絵を描いている時にも聞いております。
私の場合、音楽と絵はとても"仲良しな関係"にあるものですので、全て嬉しく楽しく聞かせて頂いております。
都度お伝えしそびれてしまうばかりですので、この場を借りまして、お礼を申し上げます。

  *     *     *

さて、まずはメールにて頂戴致しましたこんなお尋ねから・・・

Q.1 『今日が始まる』で橋の上を歩いている帽子をかぶった黒服の男性のみが水面に映っていません。それ以外は人も建物も空も光も水面に映し出されているにも関わらず。先生のことですので、何らかの意図をもって描かれているように感じます。「希望」を描いたこの作品で先生はこの描写を通して何を伝えようとしていたのでしょうか?

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「今日が始まる」 2012年 油彩(部分アップ)


A.まずは、この様な細部の描写に気づいて下さっていることに驚きつつ、じっくりご鑑賞頂いていること、大変嬉しく思いました。
実は、この帽子の男性、自分のつもりで描きました――とは言え、本来この絵を描いている画家としての自分は、画面の手前側にいるはず。なのですが、"希望の光"の中に我が身を置きたいという想いから、自身の姿というよりは象徴する人物として、橋の上に小さくそっと描いてみました。
つまり、現実には"ここにいない人"という観点から、敢えて影や水面への映り込みを描くことをしませんでした。深い意味合いがあってのことではなく、わがままな理由で、なんだか恐縮です。
そして・・・こんな風に、自由な考察や想像を加えながら絵を楽しんで頂けることは、画家としては大変嬉しいことです。私のコメント等に縛られることなく、これからも想像の翼を広げて絵の世界を楽しんで下さい。

Q.2 満月を描く時と三日月を描く時、心象風景の違いはありますか?

A.月を大なり小なり描いている作品、結構な数があります。それぞれの絵に違う主題が在り、正直、"満"と"三日"の違いだけではない想いと共に、月の表情も一つ一つ描いております。実は、今まで画面に月を描く際、その形・大きさ・色等をどんな風に描くのかで迷ったことはありません。絵のテーマに沿って、その時々の心象や想いが自然と月の姿にも反映されるからなのだと思います。
ですので、月の形からそれらを系統立てて、言葉で説明することはとても難しいのです。

Q.3 「ヴァンドーム広場」等の作品で見られるもので、外灯が透けているように描かれているようですが、これはどういった意味合いを持っているのでしょうか?

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「ヴァンドーム広場」 2008年 油彩

A.絵の主役たる部分(傘を差したおじさんのドラマ)が、画面の中で引き立つように、外灯の存在感を希薄にすべく敢えて透けさせました。
ならば、無理して外灯など描かなくてもよいのでは?・・・ということでもなく。この外灯は、絵の一要素としては大切なものでありながら、一番手前に在ることで存在感が強すぎた為、こういった効果を使って描いてみたのです。
他にも、"透けさせる"効果を使って描いた作品は多々ございますが・・・(「ヴァンドーム広場」の場合とは違い)そのほとんどが、絵に描いた場所で頭に浮かんできたイメージ等々を、風景の上に重ね合わせて描いたものです。

Q.4「慈しみの光」は、ほかの作品と違い、楕円形キャンバスの作品でしたが、これも何か意味を持っているのでしょうか?

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「慈しみの光」 2015年 油彩


A.この作品では、阿弥陀如来像のお姿から感じ取った"万人を慈しみ救う温かなオーラ"を、光に託しながら自分なりに描こうとしました。
お像の持つ、安らぎをもたらす柔らかな空気や優しさに包まれるような雰囲気を、より円やかに伝えられるように・・・と、キャンバスも角のない楕円を選んだのです。

Q.5 笹倉先生が好きな画家はどなたですか?また、お好きな絵画についてもすごく興味があります!!

A.「好きな画家」も「好きな作品」も有名無名を問わずとても数が多く、また多岐に渡ってしまいます。それを絞り込んで、一つの回答として述べるには、内容的にも膨大に過ぎてしまい・・・。
そこで、過去にこのページに掲載させて頂きました話題の中から"ほんの一例"ということで、関連していそうな回へのリンクを以下に上げておきます。ご興味がございましたら、ご覧になってみて下さい。

2001年07月19日 感銘を受けた画家達
2005年01月20日 "トリ"といえば伊藤若冲
2008年11月07日 "印象派"の話
2012年09月07日 質問にお答えしますPart.4 のQ.1への回答

以上、文章での説明がなかなか難しく、感覚的なお話になってしまう部分も多々ございました為、上手くお伝え出来ているのか、答になっているのか、毎回自信がございません。申し訳なく感じつつ、皆さまの寛容なご理解にも甘えつつ・・・
貴重なお時間を割いて頂き、メール・お手紙・アンケート等にメッセージ/質問を頂戴し、心より感謝致しております。個々へのお返事は出来ませんが、全てありがたく拝読致しております。
<(_ _)>

笹倉鉄平

スタッフ注:掲載している質問につきましては、お問合せの内容部分のみを編集抜粋させて頂いております。

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