アトリエや旅先から届いた、笹倉鉄平のメッセージを掲載しています。

アトリエから

2013年11月15日/ヨーロッパのクリスマスは・・・

クリスマス・ツリー点灯式のニュースなども聞かれる時節となってまいりました。

ヨーロッパ・キリスト教圏の多くの国では、クリスマスの約4週間前から(主に11/30に近い日曜から)アドヴェント=待降節という、クリスマス当日を待ち望む(?)期間が始まります。
"この時期"を、今までに何ヶ国か体験した私的な感想として思うのは・・・
そこに漂う空気感が、日本でのクリスマス時期のそれよりも、どこか年末年始の方に、むしろ似ている気がすること。

例えば・・・
クリスマス・ツリー用モミの木が往来で販売される様子は、年末に正月のお飾りを露店で売っている感じとそっくりです。
また、クリスマス・マーケットが開催され、クリスマスのグッズや飲食関係の露店に人々が集う様は、東京ならアメ横、大阪なら黒門市場、京都なら錦市場辺りの年末の賑わいを見ているようです。
逆に、日本の大晦日の晩~元旦にかけての街の静けさは、24日イブ~クリスマス当日を主として、店舗が閉店し、遠方から家へ帰省する家族が集って教会に出かけたり各家庭でも祝ったりする、欧米の街の敬虔な雰囲気と相通じるものがあるように思います。

無論、同じ欧州内でも国や文化圏・宗派が違えば「聖なる日・クリスマス」もその様子や風習は違ってきますし、一概には言えない部分も多々あります。ですから、上記はあくまで、ざっくりとした私の印象の話でしかないのですが・・・。

そんな雰囲気をお伝えしたく、以下に画像付きで少しだけご紹介をさせて頂きます。

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12月のパリの街角。
こういった仮設の店でよくモミの木を売っています。(他の国でもよく見かける光景)

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陶磁器で有名なマイセンにて。
ドイツでは全体的にマーケットの規模が大きめで、露店の数も多くその造りも立派。

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ねぎとチーズのピザのような菓子。その場で次々に焼かれる熱々を、寒い中でハフハフ言いながら食べるのは日本の"たこ焼き"感覚?

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フィレンツェのクリスマス市の様子。
イタリアでは、意外と控え目なマーケットが多い気がします。

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果物や木の実をシロップやチョコレートでコーティングしたお菓子は人気です。


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ドイツらしく(?)、バームクーヘンも屋台の中で作られ、焼き立てをスライス。チョコやアーモンド等トッピングをしてくれます。

上記の他にも、飲食の屋台では、フライド・ポテト、ソーセージ、クレープ、グリュー・ワイン(香り付の温めたワイン)、アーモンド砂糖菓子、日本でもよく見るリンゴ飴などなどがメジャーです。

そんな中でも、クリスマス・マーケット発祥の国であるドイツのこの時期は、どんなに小さな町を訪ねても、大小様々趣向を凝らしたマーケットに必ず出会えて、ウキウキしてしまいます。
絵に描きたくなる情景もやはり多く、『ブレーメンの移動遊園地』は正にそんな中の一枚でした。

また、日本でお祭り屋台などでよく見かける、射的や輪投げのような遊びの露店も、やはり似ているなぁ…と思います。家族連れも多いですから、エンターテインメント要素は万国共通に必要なのでしょう。
ただし、"日本とは違うし、気合入っているなぁ"と感じるのが、作品にも描いた移動遊園地です。

比較的大きな街では広場も充分な広さがあるせいか、ブレーメンのように、こんなに大がかりで本当に移動式?と思う程の乗り物や遊具もそろっています。
では、小さな町には遊園地は来ないのかというとそうでもなく、狭い広場なりに、小さくてかえってそれが可愛らしい乗り物がいくつかそろった規模もかなり小さなものが、ちゃぁんとマーケット横に来ているのです。

"移動遊園地"の文化が当たり前のヨーロッパでは、年に何度かイヴェント毎に、ある日突然現れて期間が終われば忽然と(一晩で、ということもあるそう)消え去ってゆく・・・といいますから、驚いてしまいます。
そのこと自体がまるで魔法のようで、子供たちは毎度楽しみにしているようですし、大人になっても良い思い出となるのでしょう。

更に、街の中へと目を移せば、夜のライト・イルミネーションもそれぞれの通り毎に異なる工夫がされて見事ですし、夜景が大好きな自分には心躍る景色が多いのです。

確かに、日本と比べれば、ヨーロッパの多くの国々が緯度的に北に位置していますから、冬場は早く太陽が沈み、強烈な寒さと相まってその暗さにも辟易としてしまうことでしょう。
だからこそ、イルミネーションの光で暗闇を照らして、心にも灯りを燈そうとしているのかもしれません。

最も日照時間が短くなる12月、クリスマスの2~3日前に迎える冬至を境に、今度は少しづつ夜の時間が短くなってゆきます。
少しでも闇を追い払いたい気分と、冬至を過ぎる喜びが重なるこの時期、ヨーロッパの国々では皆が"光"をより強く意識するのでしょう。
救世主イエスの象徴が"光"であることも含めて、クリスマスというのは正に「光の祝祭」なのだと、どこかで耳にしました。

それを聞いてから、クリスマスの"光"の絵を描く時の気持ちは・・・どことなく、少し特別な感じがするのです。

笹倉鉄平

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