アトリエや旅先から届いた、笹倉鉄平のメッセージを掲載しています。

アトリエから

2012年05月30日/フィレンツェの日本庭園

120530firenze.jpgここ暫らく、イタリアからクロアチアへと行っておりました。

久しぶりに訪ねたフィレンツェでは、懐かしい人たちに会うことも出来て、嬉しく有意義なひと時を過ごしました。

さて、姉妹都市であるフィレンツェと京都は親交が深く、ミケランジェロの丘の見晴台近くには「松籟庭園」と名付けられた日本庭園もあります。
今回、その庭園に手が加えられたリニューアルオープンのお披露目祝賀会があり、行って参りました。
京都市の副市長をはじめ、両市の関係者、勿論フィレンツェ市の若き市長も列席され・・・

式典の後には新設された東屋での小さなお茶会も行われ、着物姿の日本女性と中世時代の衣装をまとった楽隊の人等々が行き交い、その背景には花の聖母教会のドームなどルネッサンス的風景が望めたりと・・・少々不思議な光景が目の前に展開されていました。

生まれ変わった日本庭園は、もともと在る薔薇園を背に、落ち着いた景観が素晴らしく、異国の地で造り上げた関係者のご苦労が改めてしのばれました。

120530syorai_teien.jpg自分として、とても不思議に感じたのは・・・
左は、数年前にこの「松籟庭園」を描いた絵です。当時ここは、白い敷石などで"水"を枯山水的に表現していて、実際の水は一切使われていませんでした。

そこで、日本人の「見立てる」「心で感じる」といった、極めて日本的で美しく奥深い行為を理解してもらえれば・・・と思い、当時はあえて絵に"水"が流れている様子を描いたのです。
リニューアルされた庭園では、実際に滔々と水が流れている景色を目にして、あの時流水を描いたのは、偶然の必然だったのかな、と一人勝手に感慨深く感じ入っておりました。

直接的表現であれ間接的表現であれ、どちらも日本的な美しさの結実ですので、今後もフィレンツェの人たちに広く愛される庭であってほしいと願うばかりです。

時を同じくして、フィレンツェで"ヨーロッパ最古の薬局"として有名なサンタ・マリア・ノヴェッラさんの400周年(!!)の記念祝賀会が盛大に開催されておりました。
この本店のサロンにて05年に小さな個展を開かせて頂いたり、日本の店舗でも大変お世話になっております関係もありまして、お祝いを直接お伝えすることが出来、良い機会となりました。

そしてその後は、フィレンツェからイタリアの隣国クロアチアへと、いつもの絵の制作の旅へと再スタートしました。
"隣"と言いましても、アドリア海をはさんだお隣ですから・・・まずは、鉄道でアンコーナという港町まで行き、そこから出航する夜行フェリーで移動しました。
船で国境を越える(出入国手続きを港で行う)というのは初めての経験で、少々ややこしい所もありつつ・・・しかし新鮮で楽しくもありました。

また、クロアチアへ入ってから何日か後に、夜テレビを見ていると・・・
フィレンツェにも近い、ボローニャの北部を震源とする大きな地震があったそうで、歴史的な建造物にも被害があった旨の映像が流れていました。
実は、このフィレンツェ滞在中にボローニャの街にも立ち寄ってスケッチなどしていたこともあり、美しい建物への被害映像には胸痛むものがありました。

そんなこんなに盛りだくさんだった旅から戻ってみれば・・・
日本では、金環日食や東京スカイツリーの開業など、華々しい行事も既に終わっておりました。
このひと月程は・・・なんだかプチ浦島太郎気分です(笑)。

笹倉鉄平

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