アトリエや旅先から届いた、笹倉鉄平のメッセージを掲載しています。

アトリエから

2012年02月29日/忙しかったイラストレーター時代

しばらくご無沙汰しておりました。
振り返ってみますと、この3ヶ月間ほど休みらしい休みも取らず、仕事ばかりしておりました。
制作は勿論のことですが、何かと用事が多かったせいかなと思います。

そんな中、やはり超多忙だったイラストレーターをしていた頃のことを、ふと思い出すことがあります。
20代後半から30代半ばまでの約10年間ほどは、忙しさとの戦いの日々(笑)でした。

当時、最もキツかったのは夜と朝が逆転した生活サイクル。
昼間はどうしても仕事の電話など対外的な部分に邪魔される為、描く作業は、静かで集中できる夜間についついなってしまっていたからです。

早朝、配達されたばかりの朝刊に目を通してから就寝。もしくは、スケジュールが詰まっていると、2~3時間だけ仮眠を取りまた仕事と…そんな状態がしばらく続きますと、7時間位まとまって眠れる時には、無上の幸せを感じられるほどでした。

勿論、自らそこまで追い込むつもりは毛頭無かったのですが、定期的な仕事も多くありましたし、また、どうしても断れない類の依頼などもあります。そして、全てに"締め切り"が付いてまわるのがイラストというものの宿命ですから当然でしたし、その頃は高度成長期でしたので、広告媒体での需要がとても多かったことも一因だったと思います。

唯一とも言えるお楽しみは、完成したイラストの原画を届ける際に、愛車のハンドルを握るひと時でした。車内で好きな音楽を大音量で聞きながら味わう"仕事を仕上げた解放感"は、何よりのものだったのです。

また、時折スケジュール変更などでポコっと何日か時間に空きが生じることも、たまに在りました。
そんな時こそしっかり休めばよいものを、何を思ったのか、(依頼されたモノではなく)自らのアイデアやひらめきで描きたくてしょうがなかった絵にまでチャレンジしていました。

そんなことを思い出すにつけ、若い頃の情熱と体力というのは、我ながら凄かったなぁと驚いてしまいます。
今このような体力は勿論ありませんが、自らの内側から湧き出る「こんな絵が描きたい、あんな絵を観て頂きたい」といった想い…と申しますか、精神的な力に関しては、あの頃に少しも負けていない自信があります。

体力が落ちてゆくのは自然の摂理で、受け入れるしかありませんが、描くことへの想いと表現力に関しては、亀の甲より年の劫の部分も大きいでしょうから、これからも労を惜しまず磨き続けたいと思っています。


さてさて、そんなイラストレーター時代に描いたイラスト原画や、合間々々にひらめいて描いた作品少々を、「ちいさな絵画館」にて4月2日まで企画展示致しております。もしも、お近くにお越しでご興味がございましたら、お立ち寄り頂けましたら嬉しいです。

・・・観るだけでも肩がこりそうな細かいイラストもありますので、上記のような当時の苦労をお察し頂けるかもしれません(笑)。

笹倉鉄平

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