アトリエや旅先から届いた、笹倉鉄平のメッセージを掲載しています。

アトリエから

2006年01月11日/映画の楽しみ

日本中が稀に見る大寒波に震える毎日ですが、皆様風邪などひかずお過ごしでしょうか?
また、豪雪に苦しんでおられる地方の方々には、謹んでお見舞い申します。

私はと言えば、風邪を引く間も惜しんで(?)新年三日からキャンバスへ向い、書き・・・いや、描き初めをしました(笑)。
それでも、久しぶりにお正月休みが少し取れたおかげで新鮮な気分になり、日頃観そびれていた映画のDVDを楽しんだりしておりました。
皆様は、お正月映画(←最近はこういう言い方もしないようですが)は、何かご覧になりましたか?
060111cinema-1.jpg映画の始祖である興行師、リュミエール兄弟が デカデカと描かれた壁画。二人が最初に撮った 映像に、(映画通には)有名な「ラ・シオタ駅への 列車の到着」がある。旅好きな私にとって、映画は、遠い異国の地や歴史の世界、宇宙の彼方、はたまた荒唐無稽の物語の世界まで、ありとあらゆる未だ見ぬ別世界まで手軽に旅をさせてくれる、時間に追われる身にはぴったりの娯楽です。

絵の制作にはかなりの神経を使いますので、その後などに、煩わしいことを忘れて何も考えない時間を暫し持ち、思考の切り替えを図れる手段として、映画は最適かつ有効なありがたい存在です。
(例えば、「スター・ウォーズ」、「007」、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、「インディ・ジョーンズ」などの各シリーズは、清涼剤的な映画として定番となっている為、今までに何度も観ていますが、未だに飽きていません。)
そいういった意味では、結構映画好きの方なのだと思います。

・・・そういう訳で、ここのところカタめの話ばかりが続きましたので、
今回は軽く映画のお話でも致しましょう。

先日発表された新作版画の「エクリューズ浜」は、とあるフランス映画のロケ地だった町へ、近くまで行ったついでに訪ね、
映画の印象通り本当に美しい場所でしたので、たまたま絵として成立した作品でした。
かといって、逆に映画そのものからインスピレーションを得て絵を描いたことは今までに一切ありませんし、「エクリューズ浜」の様なケースすら珍しいことでした。
むしろ、全く逆のケースで、絵を描きに行った場所が、映画を観ていたら出てきてびっくりしたということは何度もありました。
大抵は、頭から離れがたい美しいシーンや感動したシーンなどが、
無意識のうちに脳のどこかの引き出しにしまわれていて、いつのまにか絵のエッセンスとして使用されているのかもしれない、という程度の関り方だと思います。

さて、そもそも現在の映画の発祥は、南仏の小さな港町ラ・シオタ出身のリュミエール兄弟によって、1895年制作・上映された事に端を発しているといいます。
実は、昨年9月のフィレンツェでの個展の後、南仏を旅していたのですが、その際、ラ・シオタの町のすぐそばまで来ていましたので、ちょっと立ち寄ってみた際の写真がこの二枚です。

今は、映画発祥の地としては、いささかさびしい感じの静かな港町でした。
あいにくの曇天の下、時折海から吹いてくる冷たい強風に顔を弄られつつ、多くの人に娯楽を提供しようと活動していたリュミエール兄弟への敬意と、当時の町の姿などを思いながら、岸壁沿いのカフェで、なかなか来ないバスを待っていたことを思い出します。

060111cinema-2.jpg1895年、二人がパリで、華々しくシネマトグラフを紹介して映画上映を行うのに先駆けて、 その上映が行われた世界で最初の映画館である『エデン座』。 現在は、使用されていない為、荒廃しているのが寂しい。

映画は総合芸術である、とよく言われますが、映像、音楽、美術、文学、演劇、ファッション、最近ではCGなどのデジタル・アート、etc.・・・と、確かにそれぞれの分野単独でも成立するものを、一つに集約して作っていくわけですから、思えば大納得です。
いつもエンドロールまでしっかりと見ながら、たくさんいる裏方さん達のそれぞれの緻密な仕事に思いを馳せては、"ああ参加してみたい"などとつい思ってしまいます。
しかし、常に観る側で純粋に楽しみたいので、そんな憧れは、こうして胸に留めておくことにしています。

ところで、よく聞かれる質問に「好きな映画は?」というのがありますので、この機会にお答えしておきましょう。
ジャンルというか、好きな映画の傾向としては、冒頭の部分に書きました様に、忙しない現実の疲れを癒したり、気分の切り替えに観ることが多い為、とにかく暗い要素・悲しい要素・ショッキングな要素の出来るだけ少ないものに、どうしても偏ってしまいます。
ですから、心が暖まるようなもの、暖かい涙を流せるようなものや、思いきり現実離れしたSF、ファンタジー、アクションものなどが中心になってきます。それから、勿論コメディものも然りです。
逆に最近あまり観ないのが、難しい感じの哲学的なもの、アート系、古典や文学ものなどでしょうか。
学生の頃は、こうした重いテーマのものや、とんがった感じのものを、むしろ好んで観ていたのですが・・・不思議なものです。
そして、ホラーもの、残酷なもの、不快な表現がありそうなものなどは、本当に苦手です。

好きな作品で"例えば?"と言われると、本当にたくさんあって困ってしまうのですが・・・今、思いついたものを順不同ですが、挙げていってみましょう。

わりと最近観て気に入っているのは、「ビッグ・フィッシュ(T.バートン監督が、珍しくリアルな親子の姿を彼流に描いていて感動)」、「ネバーランド」、「ロード・オブ・ザ・リングス・シリーズ(P.ジャクソン監督の映画作りの姿勢と壮大さ)」「ALWAYS三丁目の夕日(ベタなのに敢えて泣かされた)」「(ジェイソン)ボーン・シリーズ(M.デイモンはいい俳優さんだと思う)」などでしょうか?

見る度に暖かい涙で心を洗えるのは、「ニューシネマパラダイス(舞台もシチリア島で、音楽も最高)」「リトル・ダンサー」「イル・ポスティーノ(コリチェッラが舞台)」「セヴン・イヤーズ・イン・チベット」「ぼのぼの/クモモの木のこと(原作も好き)」、「ライフ・イズ・ビューティフル(後半がちょっとツラい展開なので元気な時限定)」など。

ほんのりと心に沁みて元気にしてくれるのは、「ストレート・ストーリー(いい意味でD.リンチ監督作品とは思えない)」「ドン・ファン(夢みることの大切さがグッとくる)」「クリクリのいた夏(癒し系)」「炎のランナー(ついでに勇気ももらえる)」「バクダット・カフェ」「秘密と嘘」「アメリ」「ショコラ」「僕の叔父さんの休暇(J.タチ監督のこのシリーズは全部お気に入り)」などでしょうか。

何も考えず、笑顔ですっきりしたい時は、「フル・モンティ」「メン・イン・ブラック(エージェント・Fが好き(笑))」「アタック・ナンバーハーフ(いい意味で驚きの一本)」「アバウト・ア・ボーイ」「青春デンデケデケデケ(若き浅野忠信のギター演奏でのベンチャーズ)」などなど。

ひたすら元気をもらいたい時は、「スクール・オブ・ロック(何事も信じて頑張れば・・・)」「ロック・ユー(スカッとするし、特にUKロック好きにはたまらない)」「サウンド・オブ・ミュージック」「トスカーナの休日(トスカーナやアマルフィの風景が美しい)」など。

それと、そうそう忘れてはいけないのが、犬モノ(?)です。
犬が主役級で、いかにも観る前から"お涙頂戴"な内容だと予想出来てしまいそうなものや、コメディものが多い中、「マイ・ドッグ・スキップ」や「恋愛小説家」は良かったです。
犬ではないけれど、飼い主との心の繋がりが胸を暖かくしてくれる「ベイブ(パート1の方限定)」は好きですし、豚といえば、「紅の豚」も、男のロマン(笑)があって良いです。
そうですね、アニメでは他には、「木を植えた男」とか、忘れてならないのが「ビートルズのイエロー・サブマリン」。
若い頃、そのアートの斬新さに衝撃を受けた大傑作の一本です・・・。

などなどなど・・・なんだか、書き出したら止まらなくなりそうです。
今は思い出せないのですが、好きな映画はまだまだ他にもあると思います。それほど映画ツウではありませんし、普段、こんなに真面目に考えてみたことが無いものですから、この辺りでご勘弁を。

今年もこの先、「オリバー・ツイスト」「有頂天ホテル(三谷幸喜さんイイです)」「レジェンド・オブ・ゾロ」「ナルニア国物語」「パイレーツ・オブ・カリビアン("シザーハンズ"の頃からJ.デップは上手い役者さんだなぁと・・・)」の続編、「ダヴィンチ・コード」「M:i-3」・・・などなどが控えていて、今から楽しみにしています。
・・・でも、こんなに観るヒマあるのでしょうか(笑)?

笹倉 鉄平

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